えー、今回はしょうもない一発ネタです。
2021年9月26日は南郷でカワニナ採集をしました。
南郷と言っても滋賀県ではなく、長野県長野市豊野町南郷(みなみごう)です。
前にチリメン形態のカワニナ類を見つけた場所を地図で探していたら、偶然「南郷」の文字を発見し、行ってみることにしました。
まずはチリメン形態から。
なぜ再びここに来たかというと、以前採集した個体は標本にラベルを付けずに放置しすぎてどれがどれだか分からなくなってしまったのです。
茹でる→洗浄→乾燥と工程が多いので、忙しいとつい放置してしまうんですよね。
良くない。
チリメン形態の次は南郷へ。
水路を覗いてみると……カワニナがいました!
無駄足にならなくてよかった(笑)
それでは茹でていきましょう。
まずは1か所目のカワニナ。
縦肋のある個体(右)とない個体(左)がいます。
縦肋というより成長線みたいな微妙な個体も。
ところで、9月に貝殻のクリーニング法についての論文が出ていましたが、それを参考に金属用のサビ取り剤を使ったら超綺麗になって凄く見やすい。
ハイターみたいに殻が溶けたりもしないのが素晴らしい。
胎殻はPC顕微鏡で撮影してみました。
2本の螺肋が確認できますが、縦肋らしいものは見当たりません。
続いて、2か所目のミナミゴウカワニナ(嘘)です。
模様の有無は単なる個体差でしょうが、この違いに何か条件があるのか無いのかちょっと気になる。
2021/10/4 追記 日本産淡水貝類図鑑のカワニナのページに「水温の低いところでは、体層や螺層に黒い筋があるものがしばしば認められる。」とありました。
でも移入ハベの模様ありとなしが同地点で捕れているんですよね……。
同図鑑のカワニナが真のカワニナならキタノとは別種ということになりますが、とりあえず水温を確認してみたいです。
胎殻は1か所目のチリメン形態と似ていますが、螺肋が弱い。
親はミスジ模様ですが胎殻には模様がありませんね。
(ヤマトなんかは胎殻の時点で模様が入っている)
親殻もよく見ると、上から4層目くらいから模様が出てきているので、ミスジの模様は成長する過程で現れるのかも。
今回採集したカワニナはどれも、従来の縦肋を基準にした分類でいけばカワニナですが、将来的にはキタノカワニナになるのかな。
カワニナのホロタイプを見たことがないので何とも言えない。
カワニナ亜属それぞれのホロタイプを見たいなぁ。