仁科三湖でビワメラニア採集

f:id:umihebierabu:20190915164232j:plain

2019年9月15日に長野県の仁科三湖(木崎湖・中綱湖・青木湖)でカワニナ採集しました。

 琵琶湖からはかなり離れているのですが、移入タテヒダカワニナがいるというので調査に行きました。正直、見つからないか数個体いる程度かと思っていたら想像以上でした。

 

 

木崎湖】 

水路で繋がっている仁科三湖の一番下流にあるのが木崎湖です。

地味な湖ですが、巻貝的には固有種キザキコミズシタダミが生息している貴重な場所でもあります。(やはりというべきか見つけられず。絶滅したのかも。)

f:id:umihebierabu:20190915164117j:plain

f:id:umihebierabu:20190915164135j:plain
f:id:umihebierabu:20190915164126j:plain

湖の南側です。想像していたより水が綺麗で湖底がよく見えます。

f:id:umihebierabu:20190915164143j:plain

移入タテヒダはすぐに見つかりました。

同じく移入タテヒダのいるという諏訪湖に行ったときは全く見つけられなかったのですが、木崎湖では全域で見られ、個体数も多かったです。

外来種なのであまり喜んではいけませんが、湖の環境は良いということかもしれません。

f:id:umihebierabu:20190915164207j:plain

f:id:umihebierabu:20190915164158j:plain

湖の西側です。タテヒダだけでなくハベらしいカワニナも見つかりました。そしてその中間も……。

複数種が一緒に持ち込まれたということなんでしょうが、もしこれが同一種の変異幅だったりしたらと思うと恐ろしいです。

木崎湖ではどこを見てもビワメラニアばかりみつかるので琵琶湖にいるかと錯覚しそうになります。固有巻貝もいますし、そういえば形も琵琶湖にそっくりです。ミニチュア版の琵琶湖のようです。

変わったカワニナが見つかるのでつい熱中してしまいましたが、本来いるべきではない貝であることを忘れてはいけません。

f:id:umihebierabu:20190915164215j:plain種類はよくわかりませんが巨大な二枚貝がたくさん見つかりました。

また、長野県内の他の湖はヒメタニシが多いのですが、仁科三湖ではヒメタニシは少なくオオタニシが多数見られました。

 

【中綱湖】

青木湖のすぐ近くにある小さな湖です。

ここにもビワメラニアはいました。

f:id:umihebierabu:20190915164244j:plain

f:id:umihebierabu:20190915164252j:plain

まだ精査していませんが、ハベとタテヒダだと思います。

大きいカワニナがいるので在来チリメンかと思ったらそれもハベ系のようでした。

 

【青木湖】

最後は上流の青木湖ですが、何箇所か調べましたが貝類が全くいませんでした。北側は見ていないのでもしかしたらいたかもしれません。

9/18追記 青木湖は冬季には発電等のために取水され、20メートル近くも水位が低下するそうです。貝類が見られなかったのはそのためかもしれません。

f:id:umihebierabu:20190915164259j:plain

 

これで仁科三湖はすべて見ましたが、結局カワニナ・チリメンは一匹もみつかりませんでした。もっとも、長野県の止水域では有肺類とタニシと二枚貝が多くカワニナ類はいないのが普通ですが。

 

仁科三湖のビワメラニアがいつ頃持ち込まれたのかはわかりませんが、木崎湖や青木湖ではホタル観察を売りの1つにしているようなので、やはりホタル幼虫の餌として購入したものでしょうか。

私の偏見も含みますが、ホタル愛好家の方々はホタルさえ見られたら他の生物や環境のことはお構いなしということが多く、あまり良い印象を持っていません。

 移入巻貝が問題にされる場合でも 「ホタルの成長が悪くなる」「光り方がおかしくなる」と、どこまでもホタルありきです。

地味で役にも立たない淡水貝類たちに理解が及ぶのはまだまだ先になりそうです。

 

……などと愚痴を言っても仕方ないので、次の記事では気を取り直して採集したカワニナを詳しく見て行きたいと思います。